「幻のはちみつ」って何ですか? と尋ねられることが多々あります。
今回はそのことに就いて綴りました。
和蜂の蜂蜜が「幻のはちみつ」と呼ばれる理由の一つは、西洋蜜蜂の蜜収穫量の約1/10程度しか収穫できないため貴重蜂蜜として扱われてきました。
なぜそんなに収穫量が少ないかといいますと先ず体形が違い、和蜂は西洋蜂の2/3位の大きさです。従いまして飛翔距離が西洋蜂では3~4㎞位、和蜂は2㎞弱と行動範囲が狭くなるのです。その為に収穫量も限られ少なくなります。
又、別の理由としては西洋蜂は人工的に品種改良され受粉を兼ねて大量の花蜜を採蜜する習性を持っています。1年に2~3度の収穫が可能であります。しかし和蜂は野生本能が強く自然界で生きる状態を保持し自分たちの食料として必要な分だけを採蜜し過剰に採蜜をすることはなく謙虚?な性格を持っています。その為1~3年に1回くらい和蜂の食料の一部を私たちは採蜜することとなり必然的に収穫量が少ない理由であります。
「幻のはちみつ」と呼ばれるもう一つの理由は 春先から一斉に各種の花が咲き始めます。その花の中で最も香りが強く蜜味の良い花に西洋蜂は集中して採蜜するためその花の特徴を持った「はちみつ」を採蜜することが出来ます。そのため花の香りや味を確認することは可能ですが味覚としては単調になります。これが西洋蜂の大きな特徴であります。
しかし、和蜂は西洋蜂と比較してかなり小さいため狭い飛翔範囲内に咲いているすべての花から花蜜を採る(これを百花蜜と呼びます)ため特徴的な香りや味覚は有りませんが奥深く深淵なるコクのある独特の味覚は古来から数寄者に“幻のはちみつ”と呼ばれ珍重されてきました。
又、この「幻のはちみつ」は薬効的にもすぐれており各方面から注目されております。
次号では是非「幻のはちみつ」の薬効について綴りたく予定しております。