今年も温暖なる春が到来し、“春分の日”を境に和蜂たちは一斉に活動を始めました。
親蜂である女王蜂が本格的に働き蜂の産卵を始める為、新しく生まれる幼虫、蛹の餌と成る花粉を採集するためです。
働き蜂と同時に此の時期(4月~6月)だけ雄蜂を産卵(500~800匹)します。この雄蜂はこれから生まれる新女王蜂たちの結婚相手と成ります。
やがて、約15日間後、巣の最下部で造られた新女王蜂専用の産卵ベッド(王台)から長女の新女王蜂が誕生するのですが、その直前に親女王蜂は巣箱の中の働き蜂の約3分の1を連れて新たなる棲み家へ移動します。この現象を「分蜂」と云います。
しかし、自然界の生存競争は大変に厳しく簡単には分蜂ができません。各種の蜂たちの蜜源獲得争いや直射日光を避けた風通しの良い南向きの場所で外敵からの危険を受けない所が最良の場所であります。
特に都会に於ける野生蜂の生存障害と成る事は、近隣住民からの無知なる投書に依る蜂の巣駆除依頼や、庭のある住宅地がオフィスビル・マンションビルに建て替えられ次第に貴重な緑地が消えつつあります。しかも最近ではジャンボ旅客機が低空で飛行するため、その騒音で折角見つけた安住の棲み家から逃避することもしばしば経験しました。
きっと和蜂にとっても住み辛い環境に成ったと嘆いていることでしょう。
私たちはこれらの問題を解消し、安住の棲み家を提供する為にいろいろと工夫を施した巣箱を考案し、最適地と思える場所に設置し分蜂群の飛来を期待しているのですが、優れた感性の持ち主である和蜂はなかなか入居してくれません。
今年も新しい巣箱5セットを各所に設置したのですが、今年こそはと今からその成果が楽しみで有ります。