季節の移ろいと共に自然界の生き物たちの活動も活発になりました。
特に子孫を残すための生存競争が激しくなり、私どもが日頃から心を込めて飼育している和バチも例外なく種族保存のための活動を怠りなく進行しています。
冬の間、あまり活動的ではなかった蜂群も3月になると様子が一変し、親女王バチは急激に新しい働きバチを産み始めるため、越冬した生き残りの働きバチは幼虫のエサとなる花粉を巣に持ち帰るようになります。新しく生まれてくるハチのほとんどは雌バチですが、約500~800匹は雄バチで新女王バチの結婚相手になります。
新しい女王バチの幼虫は次第に蛹となり、2週間ほどで新女王バチに成長するのですが、生まれる2~3日前に親女王バチは巣箱の中の働きバチ3分の1ほどと共に古い巣から新しい巣へと旅立ちます。一般的には同行する働きバチは4,000~5,000匹といわれ、その時ばかりは空全体が暗くなり多くの人々から恐れられる原因ともなります。この現象を「分蜂」といいます。家の軒先や大きな樹木の幹などに蜂球と呼ばれる塊を作ります。これは敵から身を守るための手段ともいわれています。
私どもはその習性を念頭に、引っ越しする蜂群の住みやすい巣箱をハチが好みそうな場所に設置して飛来してくるのを待つのです。
今年も現在までのところ、3箱に新しい蜂群が入居(?)しました。今年は温暖化の影響で春先から暖かい日が多く、巣箱の準備が遅れ取り逃がした幾つもの蜂群がありましたが、きっと都会の杜の中で元気に頑張って子孫を残してくれることを心から願っております。