“このハチミツは芸術品です!”

先日、突然に私どもの事務所へアポ無で50年振りの旧友が訪ねてきました。本当に驚きました。顔を見た途端にH君であることが分かりお互い元気で今も現役として活躍している話に花が咲き懐かしい昔の思い出話で楽しいひと時を過ごすことが出来ました。

     

H君は若い頃から絵をかくことが好きでその腕前は群を抜いていました。将来は「絵描き」になるのが目標で、念願叶い美術学校に入り卒業時にはフランス政府給費生としてパリに留学すると云う優等生でした。

 その後彼とは会う事もなくお互いの道を進むことになりました。歳をかさねると共にH君の名声を耳にする様になり彼の活躍を我がことのように喜んでいました。

    

 画家として有名になった彼もやはり昔日の思いでは今でも宝物のように大切にしているようで、今回も時間を作ってわざわざ品川・中延まで訪ねてくれたことを知り思わず目が熱くなりました。

    

     

今回、彼がなぜ突然に私を訪ねてきたのか理由を聞きたくなり愚かな質問をしてみると、

ある時知人のN氏から「あの青木が いま品川区で珍しい“日本蜜蜂の養蜂”をNPOの事業として立上げて活躍している!」と聞き美食家としても知られた彼は“ハチミツ”に興味を抱いたそうで「幻のはちみつ」の正体を知りたくてメモ書きした地図を見ながら訪ねてくれたとの説明であった。

     

     

 昔話もそこそこにしてハチミツ談義と成りました。彼はパリ時代には各地に取材旅行に出掛けその先々の修道院を訪ね蜜蜂養蜂の現場を見たり時には手伝いもしていたので多少の知識を持っていました。

 元来酒好きの彼はワインを始めシールド(リンゴから採る酒)時にはブランディーを飲むときはブルーチーズにハチミツを掛けて食べるのが習慣と成っていたので日本に帰ってもその習慣は変わっていないようです。

     

「ハチミツ」に関しては一見識が有るようなので是非中延で獲れた「幻のはちみつ」を食してみたいと云って陳列棚に飾っておいた瓶をジィーと覗き込んだり、ソーと両手で温めるように愛撫している姿を見ていると彼は只者でない人に見えてきた。

 当日は生憎と冷蔵庫には酒類は無く純粋(日本在来種)なる日本蜜蜂の「幻のはちみつ」中でも長期間熟成させた「熟成はちみつ」を試食してもらうことにした。

     

 先ず最初にデパートで市販されている西洋ハチミツを試食すると第一声は「甘さが強すぎる!添加物が入っているヨ!」流石に美食家と云われる人は鋭いと思った。

 次に私らが丹精込めて創り上げた「和蜂の熟成はちみつ」を試と「・・・・・!」発言が無いので不思議に思っていたら突然「どのようにしてこの“はちみつ”を作ったのか」といって老人とは思えないような目つきで質問してきた。

 私はこの日本蜜蜂たちが有史以前の古来より日本列島に住み着き進化してきたことや、和蜂の特性や日頃からの保護育成を順々と説明したところ「この“はちみつ”は芸術品だ!」といって絶賛してくれました。

    

 絵画をキレイに描く人はたくさんいるが志の低い人の作品は下品に見えるのと同じで

「幻のはちみつ」の高貴な格調高さは立派なものです。凛とした芸術品と同じであることに驚嘆しました。(「幻のはちみつ」は無添加・無加工で糖度82度も有るのにご賞味されたのちは後口に残ることは無く清涼とした爽やかさのみ漂う。)

   

 若かった頃から彼は「絵描き○○!」と言われるほどに絵画に没頭していたので美しい事や真実を見抜く力が備わっていたのでしょう。

昔から芸術の世界では「一芸に秀でた者は百芸に通じる!」と言われますが彼のような美味探究者が日本蜜蜂の「幻のはちみつ」がもつ深淵なる美味の世界を即座に判断してくれたようにこれからも更に多くの方たちから理解されるように上を目指して日本古来の美味を追求し邁進してゆく所存です。

   

 

H君とは来年も元気で盃を傾けることを約束してお別れした。

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